賀詞の選び方や挨拶文の書き方など年賀状の絵柄面のルール&マナー

意外と知らない?賀詞の選び方や挨拶文の書き方など、年賀状の絵柄面(通信面)のルール・マナーをご紹介。 礼儀・マナー

年賀状の絵柄面(通信面)は、どんな絵柄・デザインで、どんな挨拶文を書こうか、個性や気持ちを表現する最大の見せ場ですよね。

ただ、最大の楽しみの場とはいえ、先方に対して失礼がないように最低限のマナーは守りたいところです。

そこで今回は、賀詞の選び方や挨拶文の書き方など、年賀状の絵柄面に関するルール&マナーを、礼儀正しい年賀状にするための5つの要素とともに紹介します。

 

1.礼儀正しい挨拶文となる5つの要素

年賀状とは、そもそも先方に対する新年のご挨拶(先方に送る新年の祝いの言葉)ですから、基本的には「賀詞・日付・差出人」の3つがあれば、それで用件は満たしていると言うことも出来ます。

ただ、ここでは「年始の挨拶をすること」ではなく、「礼儀正しい挨拶文」に必要な要素ということで、文章の構成要件を5つ紹介します。

1.賀詞・・・文頭に入れる、新年を祝う言葉です。
2.お礼・・・昨年お世話になったことに対するお礼の言葉。
3.指導のお願い・・・今後の支援や厚情をお願いする言葉。
4.繁栄祈願・・・先様の健康や繁栄を祈る言葉。
5.日付・・・「令和●年 元旦」もしくは「20●●年 元旦」になります。
6.差出人名(※)・・・表面に書いていない場合は書きましょう。

 

2.賀詞の選び方

賀詞には「寿」「迎春」「謹賀新年」「新年おめでとうございます」といったように、
長い言葉から漢字1文字の短いものまで多々あります。

1文字や2文字の賀詞は目下の人向け、4文字の賀詞は同僚や後輩、目下の人向け、といったマナーがありますので、何も知らずに1文字や2文字の賀詞を使用していますと、もしも先様が目上の方であった場合などは、大変な失礼にあたります。

※例えば「賀正」や「賀春」などの2文字の賀詞は、「新年・めでたい」という意味の「略語」のようなものですので、目上の方に送る場合は、現代風にいうと「あけおめ」と送るようなニュアンスになると思えば、「失礼にあたる」の意味も理解しやすいと思います。

したがって、賀詞の選び方は裏面において最も注意したいマナーの一つです。

 

■賀詞の例、適した相手の一覧

(文字数) (賀詞の例) (適した相手)
1文字 寿、福、春、賀、慶、禮 後輩/目下の人
2文字 賀正、迎春、賀春、初春、頌春、年賀 友人/目下の人
4文字 謹賀新年、恭賀新春、慶雲昌光、瑞祥新春、敬頌新禧 目上の方
文章型 新春のお慶びを申し上げます
謹んで初春のお喜びを申し上げます
新年おめでとうございます
明けましておめでとうございます
誰にでも使える
外国語 Happy New Year 友人/親しい人

 

3.挨拶文のマナー

句読点を使わないようにしよう

挨拶文には「、」や「。」などの句読点を使用しないという慣習があります。

これは年賀状に限った話ではありませんが、句読点とは元々、文字をうまく読めない人が読みやすいように使われ始めたと言われており、一般的に「相手に敬意を払った文章には使用しない」というのが昔からの慣例になります。

また、年賀状の場合は、慶事ということもあり「区切りなし」という意味も兼ねて、句読点で区切らない方が良いという慣習もあるため、素直に句読点は使わないでおくのが無難です。

※もしも文章が長くなる時には、改行やスペースを使って調整するのが良いでしょう。

忌み言葉を使わないようにしよう

また、慶事ではお馴染みですが「忌み言葉」にも注意が必要です。

特に、注意したつもりがやってしまいがちなのが「去年」という言葉で、「去」には「別れる」「離れる」といった意味が含まれてますので、「旧年・昨年」とするのがマナーです。

他にも、「枯れる」「衰える」「破れる」「失う」「倒れる」「滅びる」、などの単語も同様に使わないようにします。

これも年賀状に限らない慶事のマナーです。

 

4.文例・アレンジのポイント・その他の注意点

まずは、オーソドックスに使える文例をご紹介します。

その上で、自分の個性やオリジナリティーを表現する為のアレンジのポイント、そして次の項で注意すべきポイントと、続けてご紹介します。

一般的な文例

以下は、少しかための言い回しに感じるかと思いますが、ご年配の方には馴染みのある、失礼のない文例といえます。


旧年中は格別のご愛顧をいただき誠にありがとうございました
本年が皆様にとって幸多き年となりますようお祈り申し上げます
本年も何卒ご愛顧のほどお願い申し上げます


昨年中に賜りました格別のご厚情を深謝申し上げます
本年も相変わらずご愛顧のほどお願い申し上げます


旧年中はご高配にあずかり誠にありがとうございました
皆様のますますのご繁栄を祈念いたします
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます


※ここで上げた文例は、決して「こうでなければならない」というものではありません。
また正解も1つではありませんので、先様との関係などに応じて語句を変えたり、アレンジすることによって、心の込もった挨拶文、個性やオリジナリティーを表現してみましょう。

アレンジのポイント

「礼儀正しい挨拶文」と書いたので堅苦しくなりましたが、最初に述べたように、年賀状は年始の挨拶で、賀詞・日付・差出人が分かれば、用件は満たしています。

なので、特に親しい相手や気の置けない人、後輩や教え子など目下の相手に出す場合なら、5つの要素のうち、「2(お礼)・3(指導のお願い)・4(繁栄祈願)」でアレンジを楽しむのが良いと思います。

※1(賀詞)・5(日付)・6(差出人)については、どれか一つでも欠けると賀状としての体裁を失うことになります。

※例えば、差出人をアダ名・愛称で書くというのも避けた方が良いでしょう。

ただし、目上の方や礼儀を重視する相手に対しては、きっちり、5つの要素は全て書く方が無難だと思います。

 

1.賀詞・・・誰が相手でも必須。
2.お礼・・・目下相手なら省いたり自由にアレンジOK。
3.指導のお願い・・・目下相手なら省いたり自由にアレンジOK。
4.繁栄祈願・・・目下相手なら省いたり自由にアレンジOK。
5.日付・・・誰が相手でも必須。
6.差出人名(※)・・・表面に書いていないなら必須。

 

重複言葉に注意しよう

「重複言葉に注意しよう」というと「そんなこと分かってるよ~」と感じるものですが、届いた年賀状に楽しく目を通していると、意外とやってしまっているのを見かけませんか?

知らず知らずに使っていないか、もう一度、注意してみましょう。

例1)賀詞と本文で「賀詞そのものが重複」しているケース

例えば「賀正」など漢字の賀詞が、絵柄やイラストと共に大きめの文字で描かれているのに、
本文を「明けましておめでとうございます」などの文章型の賀詞から初めてしまうパターン。

つまり、賀詞(=同じ意味のこと)を2度も述べている訳ですから、恥ずかしいですよね。

例2)意味が重複する文章のケース

例えば「新年あけましておめでとうございます」という賀詞などは、よく見かけますが誤った言葉の代表例です。

「新年」には「年があけた」という意味が含まれていますので、「新年あけましておめでとう」と書いてしまうと、同じ意味の言葉が重なっていて訳が分からない意味になります。

※これはお正月のテレビ番組で司会が使ってしまったりするほど、浸透してしまっている恥ずかしい誤りです。

例3)日付に「元旦」と「1月」や「1月1日」を併記したケース

これは意味としては例2と同様で、「元旦」はそれだけで「1月1日の朝」を意味します。

そのため、「平成○年 元旦」が正しく、「平成○年 1月1日元旦」や「平成○年 1月元旦」などは、どちらも誤りとなります。

なお、これらは1例で、他にも「Happy New Year」の文頭に「A」を入れてしまっている例など、意味が誤っている賀詞は結構あります。
「A」が入ると「良いお年を迎えましょう」という意味になり、元旦の挨拶としては間違いになります。(=クリスマスカードではセーフ)

 

5.一筆でも手書きしよう

昨今の年賀状は、おそらく殆どの方が、年賀状印刷サービスを利用したり、年賀状作成ソフトを使って、自宅のプリンターで出したりと、パソコンやスマホから済ます方が増えていると思います。

単に手軽なだけでなく、デザインも豊富な上に挨拶文も例文が多く、選択するだけで良かったりと、非常に便利ですよね。

でも、全てが印刷の場合、たとえ手間がかかっていたとしても、先様には機械的で温もりのない印象を与えてしまいがちです。

なるべくなら、たった一筆でも、年賀状の相手を想い、その方だけに宛てた手書きの言葉を添えるように心がけたいものです。

 

6.写真の使用・選び方について

年賀状への使用する写真の選び方あらためて認識しておきたいのは、年賀状は先様と新年を祝うものであるという点です。

例えば、お子様やペットの写真については、同居していない家族や、気の置けない友人、あるいは家族ぐるみでお付き合いをしているような関係の相手であれば、近況をお知らせするという側面から失礼になることはないと思います。

ただ、とても私的な印象が強いので、先様との関係性によっては新年の挨拶に相応しくありません。上司や取引先など、あらたまった相手には出さない方が無難といえます。

一方、先様にも参列いただいた結婚式の写真や、旅行先で撮ったご自身の写真等、感謝の気持ちや心身ともに充実した姿を見せるといった意味の表現にもとれる写真であれば、上司や取引先であっても、必ずしも失礼にはあたらないかと思います。

いずれにしても、宛先の枚数分を一度に印刷するようでしたら、印刷前にもう一度だけ、年賀状を届ける全ての方に相応しい写真かどうかを確認されると良いでしょう。

 

まとめ

今回は、年賀状の挨拶文を構成する5つの要素(賀詞・お礼・指導のお願い・繁栄祈願・日付)と、それぞれにおけるマナーについてご紹介しました。

マナーや慣例というのは、もちろん時代と共に変化していますし、今では余り気にされない(重んじられる事が減っている)ことも多々あります。

ただ、句読点などはともかく、意味の重複する言葉や、忌み言葉を使用してしまうことは、新年早々に先方に失礼な(不快な気持ちにさせる)だけでなく、あなた自身を幼く、思慮の浅い人間のような印象を与えかねません。

そのため、年賀状に限りませんが、冠婚葬祭などの礼節や伝統を含む文化に関しては、やはりマナーや慣例を大切にすることで(特に世代間の感覚の違いもあることも考慮すると)気配りや心配りの表現にもなりますし、礼節や教養をわきまえた丁寧な姿が、より心の伝わる、気持ちの良い挨拶状になると思います。

もし、年賀状の準備で心配な点や分からないことがあれば、まぁいいやと思わずに、きちんと調べて、先方にも気持ちの良い挨拶状になるように心掛けましょう。

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